高齢者消費、回復せず 消費減少の4分の1、4兆円喪失 高齢者消費回復が景気回復へのカギ

2021年4月20日 08:40

小

中

大

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

日本総研の「日本経済展望」によれば、消費の半分を占める高齢者世帯消費が勤労者世帯より落ち込んでいる

日本総研の「日本経済展望」によれば、消費の半分を占める高齢者世帯消費が勤労者世帯より落ち込んでいる[写真拡大]

写真の拡大

 コロナ禍の外出自粛ムードの中、消費の全般的な停滞が続いている。昨年春の緊急事態宣言の解除以降、ウイズコロナでの生活様式が浸透するにつれ消費は徐々に回復傾向となっているが、消費支出全体の約半分を占める高齢者世帯の消費は十分に回復しておらず、これが長引く消費不況の大きな要因となっているようだ。

 4月6日に公表された日本総合研究所のレポート「日本経済展望2021年4月号」によれば高齢者消費の回復が本格回復へのカギを握るとされている。レポートによれば、2月のクレジットカード決済の消費額で消費動向を見ると、2018年比で9.8%のマイナスと12カ月連続の減少となっている。しかし、前年同月比の減少幅は徐々に縮小しており「足許の消費活動は持ち直しに転じていると判断」している。しかし、消費支出の約半分を占める高齢者世帯(60歳以上の無職世帯)の消費が勤労者世帯(59歳以下)以上に落ち込み、回復ペースも鈍く、これが景気に大きな影響を与えているとしている。

 この背景として、高齢者は感染・重症化への警戒から外出を控える傾向が強いことが挙げられている。実際、レポート内で示されているMove Design Labのデータから感染増加に比例し60歳代、70歳代の外出率が若年・中堅層と比べて強く落ち込む傾向があることがわかる。また、インターネットの利用に不慣れな高齢者も多く、ネットショッピングが広がっていないことも高齢者の消費低迷の要因になっていると指摘されている。

 高齢者世帯の収入は新型コロナ禍においても安定だ。年金が主な収入だが、20年度の年金額はコロナ前の経済を反映しプラス改定されており、企業業績悪化で所得が減少している勤労者世帯とは対照的だ。所得が安定的で消費が減少したため高齢者世帯の消費性向(所得に対する消費の割合)は大きく低下したままだ。勤労者世帯では既にコロナ前の水準に回復している。単純計算すると高齢者世帯の消費性向がコロナ前に回復した場合、増加する消費額は約4兆円になる。これは20年の個人消費の減少額17兆円の約4分の1にあたる。

 レポートでは「個人消費の回復が再び明確化するのは、高齢者を中心にワクチンの普及が進む秋以降」になると見込んでいる。(編集担当:久保田雄城)

■関連記事
欧州経済、活動制限長期化も企業活動は堅調。緩やかな回復でコロナ前回復は22年に
コロナ禍の小売業、業態毎に明暗。苦境のコンビニと百貨店、スーパーは巣籠り需要等でV字回復
景気回復に一服感。輸出は回復持続。消費低迷長期化で回復本格化は秋以降の見込み

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連キーワード高齢者消費支出個人消費

関連記事

広告

財経アクセスランキング

広告

写真で見るニュース

  • ©2020 HOKUSAI MOVIE
  • アルファード 特別仕様車 S“TYPE GOLD II”(画像: トヨタ自動車の発表資料より)
  • 光イオンを発生させ車内の空気清浄するAirReborn(画像:ガイダンスインターナショナル発表資料より)
  • 新型VEZEL(画像: 本田技研工業の発表資料より)
  • 新型アウディA3シリーズ(画像: アウディジャパン発表資料より)
  • アマゾンを通じた配送サービスのイメージ(アマゾンジャパン発表資料より)
  • Golf Touran(画像: フォルクスワーゲン グループ ジャパンの発表資料より)
  • 世界初公開となったアウディ・Q4 e-tronシリーズ(画像: アウディジャパン発表資料より)
 

広告

ピックアップ 注目ニュース