スエズ運河座礁でどうなる原油価格

2021年4月2日 16:50

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●スエズ運河で貨物船座礁

 3月23日にエジプト・スエズ運河で正栄汽船(愛媛県今治市)所有のエバーギブンが強風と砂嵐で座礁し、29日に離礁するまでスエズ運河を塞いだ。

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 原油先物は、長期化と供給への懸念から25日にはWTI原油先物が一時1バレル=60ドルを超えた。直前には、欧州のロックダウン延長のニュースが需要減退との懸念があり、下落していたが、スエズ運河の封鎖はそれ以上にインパクトが強かった。

●スエズ運河とエバーギブン

 スエズ運河はアジアと欧州を結び、船の通過数は年間1万7,000~1万8,000隻に及び、これは世界の海上輸送の約12%を占める。1869年に開通して以来、拡張工事を重ねており、総延長193キロメートル、幅205メートルで深さは24メートルもある。

 エバーギブンは世界最大級のコンテナ船で、所有は正栄汽船であるが、台湾の長栄海運がリースし、ドイツのBSM社が管理を行っている。

 全長400メートル、幅59メートルの大型船の座礁で、離礁するまで約1週間運河を塞いだ。

●今後の影響は

 スエズ運河の座礁は離床に成功しても、しばらくは影響が出る可能性がある。欧州製造業にとっては資材調達の遅れが懸念される。また英国ロイズ保険の場合、座礁した船舶だけでなく、座礁の影響で運航できなかった船舶も全て保険の対象になる見込みで、損失額は1億ドル前後とみられる。

 待機船舶は再開時点で400隻以上だったが、数日以内に通行を終える。しかし、港湾施設などでの作業の遅れは一朝一夕には取り戻せず、影響は数カ月にも及ぶ恐れがある。

 原油価格については、離礁の成功が伝わると一時WTIの原油先物が1バレル=60ドルを割る場面もあったが、その後は、OPECプラス会合での協調減産の行方に注目が集まっている。

 ロイター通信によると、Kplerの調査では、海路で運ばれた日量3,920万バレルのうち、スエズ運河経由は174万バレルにも上るという。

 原油の先物価格が落ち着いたとしても、石油製品タンカーの運賃が値上がり、石油製品の価格に影響が出る可能性もある。

 コロナ後の経済回復によって、コンテナが不足するほど海運需要は高まっており、今回の事故は原油先物よりも、その他の物価に影響を及ぼすことが懸念される。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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